<鎌ケ谷市>小金牧のなかで最初に開拓が行われた初富エリア

鎌ケ谷市は、千葉県の北西部に位置する人口約10.9万人の市です。市域はほぼ北総台地上にあり、なだらかな地形になっています。

北総台地に広がっていた放牧場

原野が広がっていた北総台地では、広大な敷地を確保できるため、江戸幕府はここに軍馬を育成するための放牧場「小金牧」を設けました。もともと千葉県北部は馬の育成が行われていた場所で、平安時代に書かれた『延喜式』にも牧があったとの記述がなされています。また、『平家物語』でも現在の柏市や松戸市などと馬のつながりを示す伝説が記されているなど、このエリアでの馬の育成は長い歴史を持っていることがうかがえます。

こうした背景もあり、北総台地に設置された「小金牧」は、北は今の千葉県野田市から千葉県八千代市、東は千葉県印西市にかけて広がり、大きく分けて5つの牧が設けられていたといわれています。今も「小金牧」があったエリアでは、馬の逃亡を防ぐために設けられた「野馬除土手」や「木戸」などの遺構を見ることができます。

松戸市五香八丁目付近にある野馬除土手(http://itot.jp/12207/322より)
松戸市五香八丁目付近にある野馬除土手(http://itot.jp/12207/322より)

開墾され進む住宅開発

明治維新後、「小金牧」はその役割を終え、1869(明治2)年に正式に廃止されました。跡地では国の事業として開墾が行われ、最初に入植が行われたのが現在の鎌ケ谷市内の初富でした。初富という地名は、最初の開墾地だったことにちなんで命名されたものです。その後、開墾が行われた順に、二和、三咲、豊四季などの地名が付けられていきました。初富の開墾時には鎮守として「初富稲荷神社」も建立されています。「伏見稲荷神社」から分祀されたこの神社は、今も初富の総鎮守として、初詣などには近隣の人々の参拝でにぎわっています。

1923(大正12)年に北総鉄道船橋線(現・東武野田線)が開通すると、今の鎌ケ谷市内に「鎌ケ谷」駅が開業。1949(昭和24)年には新京成電鉄新京成線の「鎌ヶ谷大仏」駅と「鎌ヶ谷初富(現・初富)」駅も開業し、交通アクセスの利便性は急速に向上しました。住宅地としての開発も進み、人口も増加したことから、1971(昭和46)年に市制施行し、千葉県内で24番目の市として鎌ケ谷市が誕生します。

現「初富」駅(http://cms.itot.jp/cms_hierarchical_posts/edit/mod/176558より)
現「初富」駅(http://cms.itot.jp/cms_hierarchical_posts/edit/mod/176558より)

都心とを結ぶ「新鎌ヶ谷」駅周辺開発

1991(平成3)年には北総開発鉄道北総・公団線(現・北総鉄道北総線)の「京成高砂」駅から「新鎌ヶ谷」駅間が開通し、東京都心ともダイレクトに結ばれるようになりました。現在は、「新鎌ヶ谷」駅周辺の開発が進み、新たな鎌ケ谷市の中心となるとともに、交通の利便性と豊かな緑に恵まれた住宅地として注目を集めています。

「新鎌ヶ谷」駅
「新鎌ヶ谷」駅